それぞれは何の関係もないと思われる事象の断片の数々をサンプリングしていくうちに、ふと直感させられる世界の全体像。堆積された過去、明滅・振動をくりかえす現在、浮遊する未来がほのかに見えてくる。そこは無数の情報やエネルギーが流れる壮大な通過場だ。
私の視線、私の記憶や予感は、時間を越えて通過場を縦横にかけめぐる。私は世界の中心でも、部分でもない。私の眼は通過場における遠近法的空間の中心にある単なる特異点にすぎない。
フィールドワークを通して、世界についての情報・エネルギーを私の頭脳や身体に取り込み、通過させること、それが大切だ。

「MARUYAMA Tokio - Field work 1990-91 」自作カタログ 編集後記より 1992.10月発行



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