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TAIWA 日本 - イラン現代美術展 (2006.1/5〜1/9)
横浜赤レンガ倉庫にて開催。(主催:横浜赤レンガ倉庫1号館、アートサライプロジェクト 後援:在日イランイスラム共和国大使館 助成:ポーラ美術振興財団、(財)野村国際文化財団、財団法人朝日新聞文化財団)
●参加作家(イラン)
・Neda Razavipour ⇒ http://www.nedarazavipour.com/
・Pariyoush Ganji
・Simin Keramati ⇒ http://www.siminkeramati.com/
・Siamak Filizadeh
●参加作家(日本)
・小宮弥栄子/KOMIYA Yaeko
・沢田滋野/SAWADA Shigeno
・ヒグマ春夫/HIGUMA Haruo ⇒ http://www7a.biglobe.ne.jp/~water/
・丸山常生/MARUYAMA Tokio
・山本伸樹/YAMAMOTO Nobuki + WWW.YYY
●イベント
1/5(木)オープニングレセプションおよび丸山常生によるパフォーマンス
1/7(土)講演「イランの社会と文化」後藤晃(神奈川大学教授)パネルディスカッション「イランの現代美術」およびヒグマ春夫+喜多尾浩代によるパフォーマンス
1/8(日)イラン人アーティストによるワークショップ「ペルシアの窓から見るふしぎな世界」「カリグラフィーで対話」および山本伸樹によるパフォーマンス
●イラン映画上映(BankART 1929 Yokohama1F/ 1929ホール)
1/5(木)解説:イラン映画について 鈴木均(アジア経済研究所研究員)
1/6〜1/9まで各種の映画を連日上映。
これは沢田滋野を中心とするアーティスト主導のアートサライプロジェクトが、イラン側と折衝を重ね、2004年12月テヘラン現代美術館で開催された"The Rising Sun"-「日本の現代美術展」の継続として、日本とイランから9名の作家が参加し、実現したもの。インスタレーション・パフォーマンス・ワークショップ・パネルディスカッション、その他イラン映画の上映会などを行った。イランの現代美術は、想像以上に開かれており、レベルの高いものが多い。今回は搬送上の都合もあり、ビデオ作品が多かったが(イラン国内では上映禁止の作品も含まれている)、伝統と現在の狭間で揺れ動く彼らの感性と想像力の表現は、明らかに現在の我々の抱える問題と共通するものが多い。
プロのキュレーションやマネージメントが介在せず、開催にこぎ着けるまでには、我々も彼らも様々な制約を抱えながら、様々なハードルをクリアするべく「対話」を重ねる必要があった。非常に短い期間だったが、公の機関では全く行われていない同国との現代美術による交流が実現できたことは、意義のあることだったと思う。また、関係各方面、特にボランティアスタッフの献身的な協力にもあらためて感謝したい。
イラン作家の作品紹介
Neda Razavipour ネダ・ラザヴィプウル
(ビデオインスタレーション)[作家コメント]
このビデオインスタレーションは、3本のビデオフィルムからなっていて、それぞれ同時に映される。うち2本のフィルムは、両側に展示され、それぞれに体の違った部分を見ることができる。中央フィルムでは、一人の女性が半透明のドアの後ろにいるのが見える。この作品の中で見え隠れする体の部分は、実際の寸法より大きくしてある。そして、全身ヴェールに覆われた女性のイメージは、磨りガラスの向こうに遠くぼんやり見える。
この作品は見る人の心の中の違和感とか矛盾した感情をあおるものだ。作品のエロティックな仕掛けがあらわになるにつれ、不快感とか嫌悪感などを感じるかもしれない。作品の意図は、如何に観客が多様な、熱意、満足、また苦手意識などといった入り組んだ感覚を受け入れるかということにある。サウンドトラックのラブソングもまたこれらの矛盾の多い感情を強調するものだ。
Pariyoush Ganji パリーシュ・ガンジー
(絵画)[作家コメント]
私の赤を使った作品群のほとんどは、見る人を「窓」のどちら側にいるかを意識させるかのようである。時にはこちら側で見る側となり、別の時には反対側で見られる立場となる。誰もが見るか見られるかの独自の「窓」を持っている。他の人にあなたの見方を押し付けるわけにはいかない。
出品した絵画は、一つまたはいくつかの窓を描いている。私は今この窓のこちら側にいるように思えたり、また逆に過去の居場所がちりぢりに崩れてなくなるような時代にいるように感じる。私たちは単に、洪水のように襲いかかる時代の様相によって分断されているのかもしれない。そこには幾重にも組み合わされた「窓」や意識を見出すことができる。
Simin Keramati シミン・ケラマティ
(ビデオインスタレーション)[作家コメント]
孤独の扉のむこうで
私はこれまで生きてきた
すべての偽りから逃れて‥
私は 風の耳に私の願いを囁きたい
でも 風は私の喉の震えから吹き過ぎる
私は自分を高く飛ばしてみたい
私は自分の本当の声に触れてみたい
存在の大きな手の中で
うずくまる胎児のように
私はこれまで浮かんできた
孤独の扉のむこうで
Siamak Filizadeh シアマク・フィリザデー
(ビデオインスタレーション)[作家コメント]
眠りは短い旅である。夜出発し、朝到着する。眠る旅人たちは、一日の雑事や様々な出来事に、心も体も疲れている。意識するしないにかかわらず、我々は毎夜違った旅に出かけるのだ。
眠る前にまず祈る。もし、誰かがそばにいたなら、しみじみと話しかけ、自分一人なら、自分自身にささやきかける。
私の作品はある朝のいくつかの空のベッドに、人々の独り言や会話が聞こえる。そのベッドに横たわっている人の声は、様々な人たち、例えばアーティスト、政治家、または普通の人々であるのが聞き分けられる。
日本人作家の作品紹介(写真のみ)
小宮弥栄子 沢田滋野 ヒグマ春夫 丸山常生 山本伸樹 +
WWW.YYY
その他
準備の様子 イラン映画上映会 ワークショップのチラシ ワークショップ パネルディスカッション 撤去後