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6/1 (水)
ロンドン経由でエジンバラまでフライト。オーガナイザーのSu (スザンヌの愛称)の車でパースの農場の自宅まで。この地は人口密度が少ない。市街地以外はほとんど丘陵・牧草地帯、牛や羊ばかりで人はほとんど見ない。 |
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6/2 (木)
エジンバラのギャラリーめぐり。王立ボタニカルガーデン内のギャラリーで、「Evergreen」という展覧会を見る。ボタニカル関係の古い教育的資料などどともに、現代美術が並列して展示されている。アグネス・マーティンのドローイング、サイ・トゥンブリの立体がけっこうマッチ。Fruitmarket Galleryでは、タシタ・ディーン(近年、先鋭的なキュレーションも幅広く手がけるイギリスの女性作家)のキュレーションによる"An Aside"展。その他2カ所のギャラリーを見る。
緯度が日本よりかなり高くサマータイムでもあるので、夜10:30でもまだ空がだいぶ明るい。マグリットの「光の帝国」そっくりの風景を見る。そうか、あれは彼が実際に見た風景だったのか。
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延々と続く丘陵地帯 |
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高緯度地域の夜景 |
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6/3 (金)
明日の発表の原稿作りと、映像の編集。DVDがきちんと出力できるか不明なので、様々なシチュエーションを想定して準備をする。参加アーティストが全員合流。
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6/4 (土)
スコティッシュ・アート・カウンシルに、インターナショナルアーティストとしてゲスト参加。今年が第一回目の開催らしい。スコットランド中からアーティスト達が大勢参加している。昨年、我々が開催した"Between ECO & EGO"の報告を芳子のスピーチと、プロジェクションの映像で行う。川口の風景や作品の映像に皆興味を感じていた様子。
このミーティングを機に、スコットランド人としてのアイデンティティーの確認とアーティスト同士の組織化を連動させようという動きが今後も活発化していくことだろう。ローカリティーとグローバリティーがここでも直結していく胎動を感じる。終了後は新しいコンサートホールへバスをチャーターし、最新設備の建物を見学。その後はSuの邸宅でパーティー。大勢のアーティストが来る。 |
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司会をするSu |
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カンファレンス会場 |
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6/5 (日)
Dundee市のアートセンターで、"Surrounding"という企画展示を見る。テーマ性は理解できるが、作品のインパクトは今ひとつ。その後市内の外れにあるオルタナティブ・スペース"Generator Projects"へ。美大を卒業したての若い作家達の展示。工場の廃屋を利用したスペースはまあまあ広い。ちょっと交通の便が悪く人が見に来るかどうかは疑問。その後は、F・ゲーリーがボランティアで設計したという、がん患者のホスピスの小さな保養施設へ。
夕方から夜にかけて、参加アーティツト達のお互いの活動のプレゼン。皆、ラップトップ(ノートブック型)パソコンを持って来て気軽な感じで見せ合う。 |
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F・ゲーリー |
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プレゼンをする作家達 |
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6/6 (月)
アバディーンで、"Peacock"というプリントワークショップを見学。かなり充実した設備。その後、ハントリーという小さな町にある、"Deveron Arts"というアート・センターを見学。女性ディレクターのClaudia Zeiske氏を聞く。空き店舗を活用したプロジェクトの提案、広告のビルボードを活用したプロジェクト、住人にアンケートをしたプロジェクトなど様々なアイデアを実現化している。こんな小さな町で、社会の中でアートを息づかせる姿勢やその方向性は、刺激的でけっこう面白い。
次は、ラムズデンという小さな村にある、"SSW"(Scottish Sculpture Workshop)。彫刻をメインとしたアーティストインレジデンスで、世界各国から受け入れている。老人しかいない静かな村だが、そこに滞在している何人かのアーティスト達と語らう。ここの宿泊は、ここは老人の保養施設にもなっていて、滞在するアーティスト達も利用できるようになっている面白い施設。今後の日本でも参考になる。 |
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Peacock |
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施設の案内をするSSWの職人 |
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6/7 (火)
車で出発。ダフタウンというところの"Glenfiddich"スコッチウィスキー工場を見学がてら、そこがサポートしているアーティストインレジデンスを見学。滞在アーティストの展示を見ながら談話。
その後、西進してアリセイグに着く。ウィリアム・モリスの弟子だったという人物の設計で、1903年着工のアーツアンドクラフツ運動の名残ある建物に滞在。 |
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滞在した珍しいハウス |
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6/8 (水)
スコットランドのハイランド地方と呼ばれる土地を探索。
夜は、再びお互いの作品のプレゼンと、様々な意見交換・討議。「ビューティーについて」という深遠な話をLarsが提案。私の会話力ではとてもついていけなかったが、どうやら彼にとっては何かに打ち勝つときの深い感情的なものをそう呼んでいるらしい。私は「美は滅びにあり」と芭蕉の美学を取り上げながら意見を言う。 |
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ディープなハイランド地帯 |
6/9 (木)
マーレーの港からフェリーに乗り、スカイ島へ。小雨でガスがかかり、対岸のスカイ島は全く見えない。30分ほどでアマディール到着。地元の小学校の生徒の作品を見せてもらう。アーティストでもある女性の先生のユニークな風景のドローイングの授業の成果。ゲール語がこの地域ではいまだにメインらしい。
その後、この地でギャラリーを持っている2人の女性アーティストのスタジオを訪問。人跡未踏のような海辺の地での制作は作品に大きな影響を与えているのが分かる。
この島の一番大きな町ポートレイにある"an tuireann"というアーティストランセンターを訪問。各々の資料のプレゼンをする。
夜、再び様々な討議。抽象性・ロマンティック・脳・などがキーワード。私は一神教のもつ原理性とアートの関係を念頭に置きながら、つたない英語で自分の非西欧的立場を話す。 |
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an tuireann |
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プレゼン資料を見る |
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6/10 (金)
フェリーで、ヘブリディーズ諸島の北ユイスト島へ。2000人ほど住んでいる小さな島。Taigh Chearsabhagh Museum & Art Centerがある。ここでも地元と密着した活動、そして外部との関係を継続している能力のあるアンディーというディレクターがいる。コミュニティーの中に現代美術(フォークロア的な少し要素もあるが)が生きている。彼に案内されて、展示施設を見たり、島の様々な場所を巡る。ここまで来るとスカイ島や本土ともまた異なった景観が展開される。
夜11:30くらいにストーンサークルのある丘に登る。丘の中腹に剣のように尖った石が直径50メートルほどの範囲で並んでいる。西の空はまだ明るく、月明かりと相まって神秘的な雰囲気。先史時代あるいはケルト文化の香りが濃厚に漂う。 |
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北ユイスト島の景観 |
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6/11 (土)
地元の関係者を前に、プロジェクターを用いて自分の作品についてプレゼンテーション。東京という都市の成り立ち、私の作品について30分ほど行う。アンディーは私の作品について、ネットで下調べをしていたらしく、私がよく使う「トランジション」というタイトルと同名の、彼自身が以前制作したビデオフィルムをプレゼントしてくれた。
地元の女性ビデオ作家の作品を彼女のスタジオで見る。昨年のハリケーン時の暴風雨の映像をテーマにしたもの。自分の作品を含め、アートと土地の関係の強さを改めて再確認する。 |
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ストーンサークル |
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自作のプレゼン |
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6/12 (日)
終日、移動日。途中、ネス湖〜インバネスを通過し、パースへ戻る。 |
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6/13 (月)
再び、エジンバラでScotish national Galleryへ。F・ベーコンのポートレイトの作品の企画展。久しぶりに見るとなかなか良い。その後もいくつかの美術館、ギャラリーを回りながら街歩き。明日以降、帰国するアーティストもいるので、夜は今後のコミュニケーションの継続について相談しながら、さよならを交わす。 |
マッキントッシュで有名なグラスゴー美術学校 |
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6/14 (火)
グラスゴーへ行き、グラスゴー美術学校、CCAというコンテンポラリーアートセンターの若手の作品、美術館でB・クルーガーの大規模な企画展示、その他市内のギャリーやワークショップなどを回る。中でも"WASP"というスタジオ兼ワークショップで見た若いティーンエイジャーの父親をテーマにした写真展はなかなか良かった。 |
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WASPの展示ポスター |
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