MARUYAMA Tokio
2000
Tokyo University of Fine Arts
"Performance Art ! "
使用物
プロジェクター+ハンディカメラ モニター+上野公園のビデオ映像 上野公園内で拾得した枝、土、ゴミなど。
今回のパフォーマンス作品について
20年前の1980年、私はこの上野の地で、副題に「フィールドワーク」の語を用いた作品を発表しはじめた。公園や学内で採取した様々なものを用いて、展示とともに環境の中に再び還(かえ)していくというごくシンプルな作品だった。当時、文化人類学の用語を、美術に用いるのは少々ためらったのだが、自分の表現の原点を獲得していく渦中にあった私は、今では違和感がなくなったこの語にある可能性も感じていた。感性の探針を徹底的に内面に降ろしていくことと同時に、外部のあらゆる事象に対しても接触させていくこと。この語は、制作上の「行為」と「プロセス」、そしてその総体的な「態度」自体の重要性を気づかせてくれた。その後、それがパフォーマンス・アートにもつながっていくのにさほど時間はかからなかった。
今回は、少し特別な感慨を抱くこの場で行うパフォーマンス(フィールドワーク)に、あえて私の個人的な「記憶」をわずかに絡ませようと思っている。上野公園は公園自体に大きな変化はないが、ホームレスの人々が随分増えたのに改めて驚く。行き交う人々の様子も変わった。この20年の時間(もしくはもっと長い時間の流れの中も含めて)は、私だけでなく日本というフィールドの地殻変動も堆積させている。パフォーマンス・アートという「方法」が、この時間の流れを観客の人たち個々の時間とともに断層化し、どんな切り口をみせてくれるかを私自身期待しているところだ。(当日の配布チラシより)
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