MARUYAMA Tokio
1993
木曽野外美術展 木曽文化公園 日義村 長野
「土地の系」ー枯れ木立の元で
木材、アクリル樹脂、スレート板、包帯、気象衛星による地球の雲画像(木の幹に巻かれた包帯の隙間に設置)
450cm ×800 cm
一本の枯れ木
包帯を巻かれた幹
隙間からわずかに覗く1993年7月の地球の画像
土〜砂〜石と連なる路
路の果てには小さな家
家の中にはさらに小さなミクロコスモスの世界が…
「山に囲まれた何の変哲もないただの土地。夏の驟雨(しゅうう)の中でその枯れ木を見た時、そこが私の作品を設置する場所になるだろうとすぐに直感した。幹の半ばから西の方角に軸線を延ばした小路を設定する。幹に包帯を巻き、その日の雲画像写真を覗かせる。過疎化した村の公園に、ささやかな〈まなざしの通過場〉を形成しよう。上空の赤とんぼの振る舞いや、砂利混じりの地面を眺めながら、私は路の両端に家の形をした小さな空間を作ることを最後に決めた。」
私の作品はささやかだが、より大きな系(例えば様々な社会現象や、気象とか‥)から、より小さな系(例えば物質の変化とか、赤とんぼのたわむれ、のような)までを繋ぎ、新たなる「通過場」の回路を開示する契機として、あなたの前にたち現れるだろう。それらをいっきょに捕らえてしまうようなあなたの感受性と想像力を待ち望む。(1993)
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