MARUYAMA Tokio
1989
アート・プロジェクト イン 手賀 
「土地の系」−手賀沼周辺におけるフィールドワーク
 

手賀沼沼周辺で採取した各種拾得物、植木鉢41ヶ

30m×30m

手賀沼周辺で採取した各種の拾得物(様々な自然物や、人工的な廃棄物等)を規則的に並べた植木鉢の中に入れ込む。それらはこの土地の自然や人々の営みを内在化させた、一種の記憶素子と呼べるものです。私は造形的に美しいものを作り上げることだけに、多大な興味を抱いてはいません。結果として出来上ったオブジェとしてだけの作品より、私達の生ける経験そのものから生じた行為や、出来事をできるだけニュートラルに美術として顕在化させる、そのプロセスや成り立ちのシステムのあり方を重要視したいと考えています。(もちろん観客は結果としての植木鉢の中にマクロスペースから集合してきたミクロコスモスとしての現在の社会の縮図も感じるでしょう。)
それは私達の棲んでいる環境が、単純に美しく永遠なものなどではなく、様々なものやこと、視線や情報が連続的な厚みをともなって流れていく壮大な通過場にすぎないのだ、という私の世界観の反映でもあるのです。 (コメントから 1989)


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